1.なぜ赤色LEDは毛髪に良いか

皮膚および毛髪疾患の病態解明と治療法開発をメインテーマに研究活動を行っている大阪大学大学院医学系研究科の研究によると、赤色LEDの光は円形脱毛症、男性型脱毛症、アトピー性皮膚炎などについて自己免疫、ホルモンの面で改善の効果が見られた。

・毛包は生涯にわたり再生と退縮を繰り返す成体で唯一の組織
・毛周期の制御機構を極める
・毛周期の司令塔で有る毛乳頭細胞の機能を解析

以上の点を踏まえたうえで赤色のLEDを照射することによって育毛効果を示した

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LEDの光が毛乳頭細胞を刺激することで、ヘアサイクルの成長期を誘導することが判明。理由は、毛の成長期間が延びることで、毛も太くなるとのこと。 さらに照射時間を短縮することでニキビやシミなどにも効果が出ることも判明した。

大阪大学大学院医学系研究科の研究結果 皮膚・毛髪再生医学講座 乾重樹特任教授

2.肌にどのような効果があるか

LED美顔器は、光照射エステのLED版で、その多くは発光色の異なるLED素子を複数平面に並べて照射する構造となっている。また、LEDの光は肌に有害な紫外線を含まないことから、肌にダメージを与えることなく血行をよくすることも期待できるとされる。赤色のLEDは肌の弾力を向上し、緑色のLEDは肌の透明感を向上、青色のLEDは殺菌効果があり、ニキビなどの対策に有効といわれている。

LEDの発する光は、紫外線を含まないことから、従来機器に設置する必要があったUVカットフィルターを使わずに済むことが利点。

LEDの特徴 NPO法人LED照明推進協議会（略称:JLEDS）2007年に設立

3.LEDの効果をNASAが発表

2001年にLEDの光に対して体細胞が生体反応を示すとされる論文をNASAが発表。

・火傷の治療やニキビの治療など様々な医療分野で機器を開発。
・LEDの光でヒーリング。"脳を癒やせば、すべてが変わる"を提唱している。

うつ病や統合失調症、アレルギー等で長年悩み続けた人たちに対し「脳ヒーリング」を受け、心身ともに健康な状態に戻るという報告がある。

赤色LEDは傷の治癒を早める効果などが報告され火傷の治療などに使われ始めた。
青色LEDは殺菌や精神安定の効果が確認された。
電車の駅・ホームで飛び込み自殺の多い場所に青色LEDの照明を使用すると自殺者が減ることや、街灯として使用した道路では犯罪が減ったなどの効果報告がある。

4.研究論文のエビデンスに基づく光LED照射の効果

皮膚美容効果：LEDの光療法は、肌のトーン改善、しわやシミの減少、ニキビの治療など、さまざまな皮膚美容効果をもたらすとされています。2018年の研究では、赤色LED光療法がしわと肌のたるみの改善に有効であることが示されています。
（参考文献: Barolet D. Red light therapy: a review. J Cosmet Laser Ther. 2018）

炎症の緩和効果：特定の波長のLED光は、炎症を抑制する効果があります。 これにより、炎症性状態の改善や皮膚の治癒促進が期待されます。一つの研究では、青色LED光が炎症性に変化した皮膚状態を改善する効果があることが示されています。
（参考文献: Avci P, et al. Low-level laser (light) therapy (LLLT) in skin: stimulating, healing, restoring. Semin Cutan Med Surg. 2013）

血行促進効果：一部の波長のLED光は、血液循環を促進する効果があります。 これにより、酸素や栄養素の供給が向上し、皮膚の健康や傷の治癒に役立ちます。2016年の研究では、LED光が皮膚の血行を促進することが示されています。
（参考文献: Hamblin MR. Mechanisms and applications of the anti-inflammatory effects of photobiomodulation. AIMS Biophys. 2017）